カフェ雑感   vol.10

2016年もまもなく暮れようとしています。

年々、年が暮れ、お正月が来る、という感じがうすれ、年の変わりが平板になっているように思います。しかも速い。あっという間に時間が過ぎていきます。

昨日、2016年の出来事をテレビ番組で1月から順に総括していました。それなりに激動の1年で、熊本地震や台風などの自然災害から、イギリスのEU離脱、大量のシリア難民、各地で発生するイスラム国のテロ、極め付きはアメリカ大統領選でのトランプの勝利、でしょうか。これまでのアメリカ大統領のイメージを覆す()下品なナショナリストの登場は、アメリカという国ですら自由で開放的な国家ではなくなっている証左、これからの世界の方向を示しているように思えてなりません。自国産業が不法移民に占拠される、中国から大量に物が入り貿易赤字が増大し続けている、EU(即ちNATO)、ロシア、中東、アジア、当然日本、それぞれの関係において特に軍事的側面がギクシャクし、TPPも同様で自国の生産を優先せざるを得ない。世界のアメリカが、単なるアメリカ国に戻っていく。フランスもドイツもオランダもイタリアも難民やテロを口実に、保守、右派が急激に台頭しています。日本も北朝鮮や中国の脅威を背景に、9条改正、自衛力の強化、戦闘可能性に向かうでしょう。

平板だと感じる程、もしかすると、というか明らかに僕自身の感性が鈍っている。その時々に何か感じていても、自分のことに、とても狭い自分中心の世界にとらわれすぎているのでしょう。井上陽水の「傘がない」と同様、世界が変わっている最中でも自分の身近なことにしか関心が向かない、良くも悪くもそんな状況でしょう。気がついた時にはもう取り返しがつかなくなっている、という事態だけはなんとか避けたいです。

相変わらずとりとめもない話ですみません。

これからが本題ですが、つい最近、1223日にALC叢書02として、「高宮真介 建築史意匠講義II  日本の建築家20人とその作品を巡る」を刊行しました。

 

   ▲【西洋編】と【日本編】の2冊組は特製ケースつき!

これは、2015年、1年間に渡ってカフェで開いた高宮真介さんと大川三雄さんの日本近代建築史の講義をまとめたものです。 2014年の西洋近代建築史の連続講義本、ALC叢書01に続く第2弾になります。どちらも2700円+消費税、また、兄妹本でもあるので2冊組みの箱入り特別本も作りました。これは流通上別扱いなので、3種の本をカフェから出版したことになります。もうカフェのカウンターに並べました。アマゾンや書店では消費税がかかりますが、カフェでは2700円で販売します。皆さま是非お買い求めください。スタッフの皆さんは、お客さんに紹介して興味を持ってもらうように話してください。建築関係者や建築学生はもとより、建築に興味を持つ全ての人たちにとって、現在の多彩な日本建築につながる近代史をおさらいするいい機会であり、高宮さんの歴史観も満開のとても面白い内容です。

また、129日日曜日に、2年間の受講者の方たちを中心にお招きして(会費制ですが)高宮さん、大川さんに来ていただいて出版記念パーティーを開く予定です。ソプラノ歌手の丸尾有香さんに歌っていただく時間もあり、近くのSAKAEのケータリングも予定しています。もちろん受講生以外も参加できますので楽しみにしてください。

さて、皆様にとって、また、世界にとって、2017年が良いことだらけの素晴らしい年でありますように心からお祈りいたします。

2016年、1年間カフェをご愛顧いただきありがとうございました。そして2017年、始めて6年目に突入しますが、引き続きアーキシップライブラリー&カフェをよろしくお願いいたします。

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飯田善彦

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【中区ブックフェスタ街歩きツアー】イベントレポート

みなさま、いつもArchishipLibrary&Cafeをご利用いただきありがとうございます。

先日、11月12日(土)に中区ブックフェスタのイベント第三弾で街歩きツアーを開催しました。

この企画もカフェスタッフ同士の話し合いのなかで、普段行かないような中区の「裏の部分」を知れるようなツアーをやってみたいねという意見からこの企画案が浮上しました!

ツアーでまわる順路をカフェスタッフと飯田さんで検討した結果、カフェをスタート地点にして、都橋を渡り、大岡川に沿って京急の高架下を見学し、野毛山をのぼっておりて吉田町に戻るというルートに決定しました。

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参加者は、吉田町にお住まいの常連さんや横浜市内の高校に通う女子高生、普段からお仕事で関内外に来る機会が多いという方など、それぞれにこの中区と関わりのある人たちが多く、新しい発見を求めてこの企画に参加してくれたみたいでした。

ツアー当日は、11月のなかばというのに気温もあたたかく最高のお散歩日和でした。

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カフェを出て都橋を渡ったら、普段ちょっと足をいれるのをためらってしまうようなディープな飲み屋が並んでいる都橋商店街を探検したり、黄金町バザールの日常の様子(小学生がまちのなかを走り回り、道端で各々に工作をしているなど)におどろいたり大岡川沿いだけでもすでに見どころ満載!

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(ここの工作教室はなんと小学生の会員数が100人を超えているらしいですよ・・・!)

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高架下をどんどん歩きすすめたあと、野毛山の坂をのぼって、casacoに向かいました。

casacoは今年の4月にできたばかり!

すでにまちのなかに溶け込み、公民館のような場所になっていました。

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この建築を設計したのはtomito architecture(トミトアーキテクチャ)の冨永さんと伊藤さん。おふたりは飯田さんの教え子でもあり、横国の建築学生が多いカフェスタッフの先輩でもあります。

今回のツアーでは冨永さんから直接お話を伺うことができました。

tomitoのお二人は設計だけでなく企画から運営まで関わっており、ほかにも地域住民やNPO法人と一緒にこの場所をつくっています。地域の見えないネットワークが顕在化されるような場所としてのあり方や、地域住民との関係性を積極的につくっていく過程をお話いただきました。

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余談ですが、実際にこのツアーに参加していた女子高生二人も学外活動で参加しているNPOでこの場所を合宿で使ったことがあると聞いて大変驚きました。

 

このあと野毛山動物園のよこを通って、急な坂をおりて横浜市立図書館を目指します。

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戦後モダニズムの代表的な建築家である前川國男設計のこの図書館。

前川國男の紹介や、この図書館の建築の特徴などを飯田さんに解説してもらいました。

 

そして野毛の坂を降りて、吉田町のカフェにもどります。

最後に休憩もかねてカフェでドリンクを飲みながら、ツアーの振り返りをして解散となりました。

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今回はじめての試みだった街歩きツアーでしたが、大好評でした。参加者の方々からは普段行かないような場所を見学することができたり、建築的な視点でまちを見ることができて面白かったとの声を聞けてとても嬉しい気持ちになりました。

参加者とスタッフ同士でも、行きつけの飲み屋さんを教え合ったりと歩きながら会話がはずんだりするのも街歩きの醍醐味で、まだまだこの吉田町のまわりには知らないお店や深い歴史があるのだなあと改めて感じることができました。

参加者のみなさまありがとうございました。

 

 

 

中区ブックフェスタ―ダンボールハウスWSのイベントレポート―

みなさま、いつもArchiship Library&Cafeをご利用いただきありがとうございます。

10月22日(土)に中区ブックフェスタのイベントとしてダンボールハウスワークショップを開催しました。

この企画は、学生スタッフでアイデアを出して行ったイベントの一つで、幼稚園児〜小学生くらいの年齢を対象に親子参加で、カフェスタッフが付き添ってダンボールを使った1/10の家の模型を制作します。

普段小さな子供たちがカフェを利用することは少ないので、この機会に「カフェのことを知ってもらいたい!」、「建築に触れてもらいたい!」という思いから、この企画を発案しました。

企画段階では、カフェの床にタイルカーペットを敷き詰めて床でも作業できることや、小さな子どもでも危険がないようにダンボールハウスをつくるにはどうしたら良いかなど話し合いました。

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大きさは??屋根の勾配は??壁の厚みはどうしよう??

 

 

前日まで組み立て準備や家具などの添景づくりなど、本物の建築模型さながらの準備をして本番当日!!!

中区ブックフェスタのチラシをみて応募して下さった5家族が参加し、幼稚園〜小学3年生くらいまでの子どもたちが集まって、とてもにぎやかな雰囲気でした。

みんな真剣にどんな家をつくろうかと試行錯誤中!

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(楽しげなカフェの雰囲気にとなりのスポーツ用品店の店主も見物にいらしてくれました・・・!)

 

2階建てのダンボールハウスのなかにそれぞれ思い思いの家具を配置し、大小さまざまな窓を開けるなど個性的なダンボールハウスができあがりました!

最後に家のテーマや、大変だったところなどを一人ひとりプレゼンテーションしました。大学の授業のなかの設計課題で行われる、講評会みたいで面白い光景です。

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ダンボールハウスはそれぞれ子どもたちのアイデアや個性が反映された、とても素敵なものになりました!

またカフェスタッフからのプレゼントとして、それぞれの参加者の写真を使った1/10の自分の添景を飾って完成となりました*(子どもたちはとても喜んでくれたようです!)

WS終了後、鑑賞&写真撮影しながらカフェのドリンクを飲んでひとやすみ・・・

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参加していただいみなさまありがとうございました。

今回のWSは、普段利用が少ない年齢層のお客様に来ていただけてとてもうれしい一日となりました。

今後もこのような小さなお子様を対象としたイベントを機会があれば、開催していけたらと思っております*

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協賛・協力:東リ株式会社

カフェ雑感vol.9

まだまだ暑い日が続いてますが、ハタと気づくと6時半にはすっかり暗くなり、夏は確実に終わりに近づいています。あれだけ盛大に鳴いていたセミの声がいつの間にかコオロギの音色に代わり、強い日差しの中にも秋らしいひそかな風を感じるようになりました。僕は肌がチリチリして汗が噴き出すような夏が好きですから、ああ、もう強い夏が終わってしまった、と毎年この時期になんともいえない喪失感とともに寂しさを感じます。これから、つるべ落としのようにどんどん日が短くなり、身体がこわばる寒くて暗い冬に向かって一挙に突きすすむのがいやでいやでしょうがありません。

さて、前回雑感を書いてからもう半年以上経ちました。学生主体の運営になって9ヶ月、以前やっていた映画祭など自主企画ものはまだ再開できていませんが、その一方日曜日に店を開けるなど、学生からの提案も実行し、その分平日とは異なるお客さんも入ってくれるようになりました。ただ、現在主体的に関わってくれている学生たちも卒業していきますから今後も継続できるか予断を許しませんが、まあ、その時はその時でまた違う展開があるでしょう。

 

今日は二つのイベントを紹介いたします。

 

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1つめは、10月から毎月アート+骨董マーケットを開催します。

 

今までも毎年春夏2回、4月と11月にアート+骨董マーケットを開いてきて、最近隣りのLilyにも拡張するようになりました。春は吉田町ストリートを使ったアート+ジャズ祭りに、秋は横浜市主催の関内外オープンに連動しています。

今年はこれらに加え、参加してくれている骨董屋さんの単独マーケットを毎月開くことを始めます。前回の骨董市のとき、そんなに身入りが期待できないのに毎回来ていただいている骨董屋さんになんとか恩返しができないか?いつも無記名的に骨董市に埋もれている彼らは、知れば知るほど、付き合えば付き合うほど個性的で魅力があります。このそれぞれ異なる個性を表現する機会を作れたら面白いのではないか?例えば、いつもはできない展覧会のようにやってもいいし、普段持ってこれないような大量なモノを運び込んでもいい、とにかくそれぞれのやり方で好きなようにカフェを使ってもらい自分を表現してもらいたい!と唐突に思い立ち、皆さんに計ったところ、それぞれに面白い、やろうよ、と二つ返事で賛同いただき実行することにしました。

いつものアート+骨董マーケットを「拡張」個人のマーケットを「独占」と銘打って1年間、毎月第二土日を基本に催します。すでにフライヤーも最終段階、今週印刷し次回の大江戸骨董市から配ってもらえるよう段取りしています。もちろんカフェホームページにも載せます。

だいたいのイベントは思いつきから始まります。うまくいくかどうかわかりませんが、やるからにはうまくいきたい、成功しなきゃ、と全力で立ち向かっています。

 

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2つ目は、中区が主催するブックフェスタへの参加です。依頼があった後、学生たちが話し合って次のイベントで参加することになりました。

 

  1. 10月15日現役大学生による建築講座
  2. 10月22日ダンボールハウスを作ろう!
  3. 11月12日中区町歩きツアー

 

これらの企画は、スタッフ主体のスタッフ会議で話し合う中から生まれました。ライブラリーカフェを起点として社会に関わる取り組み、カフェスタッフが、自主的に社会にコミットしていく意思表示ともいえます。公募してどのくらい人が集まるか全く未知数ですが、小さな一歩ながら、前に進むことができれば、面白い展開になるでしょう。

この雑感を読んだ方は、是非これらの情報をご自分のネットワークに拡散してください。興味を持った方たちがわんさかカフェに集まってくる、そんなとんでもない事態を想像すると楽しくてしょうがありません。

夢が現実になることを心から願ってやみません。

 

2016年9月12日

アーキシップライブラリー&カフェ代表

飯田善彦